石川のニュース 【11月15日02時44分更新】
http://www.toyama.hokkoku.co.jp/subpage/H20121115101.jpg 今季石川県内で初出動した除雪車=14日、白山市白峰の国道157号谷峠付近 |
冷え込みも厳しく、各地の最高気温は金沢で11・2度、輪島で10・9度など平年を4~6度下回り、12月上旬から中旬並みとなった。白山市白峰の谷峠付近では国道15 7号の積雪が5センチに達したため、県石川土木総合事務所が午後8時半から、今季初め て除雪トラック1台を出動させた。初出動は昨年より10日、過去20年平均より13日 早い。
ホッとニュース 【11月15日02時54分更新】
http://www.hokkoku.co.jp/subpage/HT20121115401.jpg おでんを仕込む「菊一」の宮崎さん。「カニ面のために、毎年冬になると訪れる県外客もいる」と話す=金沢市片町2丁目 |
まずは1934(昭和9)年創業の金沢で最も古いおでん店「菊一」=片町2丁目=を訪れた。皿に盛られた「カニ面」は、足の身が甲羅内の内子やみそを覆うように並び、そ の上に外子を載せ、かんぴょうで結んである。食べるのがもったいないような手の込んだ逸品だ。この日の価格は1個1400円とやや値は張るが、次々と注文が入る。石川独特のおでんだねで、よそでは、なかなか味わえないらしい。
「手間はかかるけど、冬の目玉やからね」と店主の宮崎勝彦さん(70)。名前の由来も含めカニ面のルーツは定かではないが、同店が戦後に営業を再開した昭和26年には既に出されていたという。宮崎さんは「わしら小さいころ、カニは子どものおやつやった。たくさん捕れたから、おでんに入れるようになったんやろ」と懐かしむ。
続いて、昭和32年創業の「よし坊」=香林坊2丁目=へ。カウンター席では来店客が熱心にスマートフォンで写真を撮っている。大阪府枚方市から訪れた会社員、松本洋平さ ん(39)は「見た目にインパクトがあるし、中から内子やみそが出てきて玉手箱みたい。出(だ)汁(し)とカニの風味がマッチして最高」とベタ褒めだ。女将(おかみ)の越 田良枝さん(55)は「カニが解禁になると一気に忙しくなる」と話す。仕込みに時間が かかるため、1日25個を用意するのがやっと。早い者勝ちの人気商品という。
カニ面は、店によって味や作り方に特徴がある。木倉町の「大衆割烹(かっぽう) 大 関」は、身と内子やみそを混然一体にして甲羅に詰めて蒸す。柿木畠商店街入り口の「高 砂」では、「菊一」と同様、カニ足をきれいに並べ、箸(はし)でほじると外子や内子、みそが次々と出てくる玉手箱方式を貫く。
ただ、各店とも金沢らしい手仕事と、気軽にカニを味わってもらおうという、もてなし の心は同じだ。「大関」の平好子さん(64)は「金沢の冬の味としてカニ面がもっと広まればいいね」と期待する。予約して訪れる県外客も増えてきたという。2014年度末の北陸新幹線金沢開業を控え、誘客の武器にもなりそうだ。