それは 私がまだ ガンでの闘病中
抗がん剤 第一クールが終わり 1週間
覚悟はしていましたが 薬の副作用は強烈でベッドにいても常時 悪心 悪寒、のぼせ、
無い食欲で頑張って めしを食えば口内炎での痛み ・・・そして脱毛
そんな時 隣のベッドに入院してきた 男性患者
身長は160前半位 ぜい肉はなく 鋭い眼光、 髪型はオールバック 年齢は私より5歳くらい上か・・・
鼻に酸素チューブを付けられ 肺の病気らしい
その患者、大部屋の病室、、隣なので挨拶
私のベッド脇にバイク雑誌があるのを見て
患者、「あんちゃん バイク乗るのか?」
と聞いてくるので
すると 「いいね! 俺も昔 カワサキに乗っていたんだ 、 マッハって知っているかい? 3気筒の奴さ」
私 「へ~ 凄い 何年式の?」 と聞き返すと
患、 「 俺が高校生の頃 灰色のエグリタンク、 煙が凄くて 速かった ・・・どんなバイクも及びはしない
まともに真っ直ぐ走りやしないから ハンドルにしがみついて あとは根性 」
改めて その患者に 歳を聞いたら 10歳以上 歳上のようで
私はCBも所有していることを告げると
「出足加速じゃ CB何かに負ける気がしない、 後にZ2なんかも出たが あれはカワサキのバイクじゃないね、
走りが優等生すぎる、 ホンダの真似だ・・・」
・・・・なんて 会話をしましたが その後 私は抗がん剤の副作用で となりのとの会話をする余裕すらなくなり
ベットでひたすら伏せる・・・気持ち悪いのは薬でも散らないので始末が悪い
そんな中でも 隣の患者と関係者の会話は聞こえて来る
灰がダメになった原因は タバコ ・・・かなりのヘビースモーカー
愛用銘柄はホープ
タバコの煙で 肺房細胞が破壊され 酸素が取り込めなくなる病気
・・・一度破壊された肺房細胞は再生しないので 完治は難しい
どうも その男性患者はアパートの3階に一人で住んでいたようですが
医者 「 退院しても 酸素ボンベは必要です 」
患者 「重いボンベは息が切れて3階まで行けません」 と訴えると
医者 「 もうアパートに住むのは難しいでしょう 施設を探す他ありませんね 」
患者 「・・・・・・」
なんて 声が聞こえて来る
遠い昔に バイクは降り 奥さんとも分かれ 一人暮らし
ストレスとタバコの量が増えた結果の病気と推測
私は 抗がん剤 第二クール 点滴開始
ベッドに縛り付けられているうちに その患者は別れの挨拶もしないあいだに退院
・・・今頃どうしているのだろう?