７月終わりの日曜日
その日 西伊豆の大瀬崎の浜からバイクの後ろに彼女を乗せて帰る途中であった
クリスマスの日から付き合い初めて数ヶ月 初めての夏
海沿いの緩やかなワインデングロードを何時もより速度を落とす
左手には青い海をまたいて富士がそびえていた
・・・このまま時間が止まればいいな・・・
アキラは思いながら背中の彼女を感じる、
海水浴で冷えた身体には暑い夏の風も心地良い
やがて 埠頭に客船が係留された場所を通り過ぎた頃
背中に彼女のヘルメットがコツコツと当たる
・・・・疲れて眠くなったかな・・
と思ったが 、背中で安心しきっている 彼女がまた愛しい
さすがに 意識がなくなるまで熟睡されるとバイクの二人乗りでは危ないので
彼女のももを軽く叩くくと
「うん・・・」 と小さな返事
やがて 入江の奥の道に差し掛かったころ、 空は茜色に染まるのでした
